フィリピン・セブ島からあれこれ情報発信中!

セブ島在住者として感じるコロナ関連のこと(1)入国禁止措置

「この先一体どうなってしまうのだろう?」と日々不安な気持ちを抱きながら生活している人々が世界中にいるであろう今日この頃。

ニュース報道を見る限りでは、各国によって施策や国民感情にやや温度差があるようにも感じます。

何が正しいのか?国・個人レベルでどう行動すべきか?

これについては、ある程度の正解はあるでしょうが、今は誰もが納得する「満点回答」というのはおそらく見つからないかと。

新型コロナウィルスそのものへの恐怖心だけでなく、様々な制限・禁止による経済ダメージ、そしてそのことに起因するであろう治安悪化への心配。

何とか明るい話題を探そうとしても、今はかなり難しい状況だと思います。

以前から活動拠点が家であるカリパイは、この状況下においても今までとそれほど変わらない生活をしていますが、もちろん全く何も感じないわけではなく、「日本人」ということで差別的な対応をされる場面も実際にありました。

当然ですがいい気はしないですし、モヤモヤも残りました。

ですが、1人でモヤモヤしていているのは精神衛生上よろしくないと思うので、今回からしばらくシリーズとしてブログにあれこれ書いていこうと思います。

こうしてブログに書くことにより、今の気持ちを記録として残すことができます。

そして、このブログをこの先しばらく経った後に自分で読み返すことによって、何かしらの「正解」が見つかると信じたい。

日本にいる読者の方には「セブ島在住者の中の1人はそんなことを考えているんだ」と思ってもらえればいいですし、同じく在住者の方には「キミはそんな経験をしてるんだへぇ~」と思ってもらえればと。

というわけで、第1回目の今回は「入国禁止措置」についてです。

※あっ、あんまり堅苦しく書くつもりはないので、気楽に読んでもらえればと思います・・・

それぞれの立場からみる「入国禁止措置」

世界の国々を見ていると大きく分けて二つのタイプがあるかなぁと思います。

一つ目は、かなり早い段階から他国からの入国者を制限した国。二つ目は、国内感染者数が大幅に増加した後、他国からの入国者制限を課した国です。

ヨーロッパの国々は後者でしょうし、フィリピンはどちらかと言えば前者かなと。

日本は「オリンピック開催」という思惑があったため厳しい措置を執ってこれませんでしたが、今回の延期決定を受け、今後は方針を変える可能性もあるでしょう。

 

さて、フィリピンについて。

自分の記憶が正しければ、フィリピンはまず中国からの入国に関して制限をかけ、その後は韓国(一部地域)、そしていろいろリストが増え最終的には海外からのすべての入国に対して基本的には制限をかけました。※海外から入国する場合、フィリピン人以外は別施設(ホテル等?)にて14日間の検疫

まぁこれらが厳しく執り行われていたかは分かりませんが、一応そのような発表がされました。

ところがその後、更に厳しい措置「全ての外国人に対してビザの発給を停止する」というものを発表しました。これは事実上、全ての外国人がフィリピンに入国することが不可能になったと言えます。なお、既に入国済みで、現在フィリピン国内に滞在している外国人に関しては、そのまま滞在が可能です。※ビザの延長については関係各署へ要確認(地域差あり?)

このことにより、旅行・留学・出張・帰郷等、フィリピンに来る予定だった多くの日本人が予定をキャンセルし、中には大きな経済的・精神的ダメージを受けた人もいるでしょう。

日本人の立場から

当然ですが、それら日本人の受け皿になる予定だった観光・留学関係の会社も大打撃を受け、やむなく業務停止や廃業へと歩みを進めた話も目にしました。

また、現在フィリピンに滞在している日本人の中には、このタイミング一度出国してしまうと次に戻ってこられるのがいつになるか分からないという理由で、不安を抱えながら生活している人も多いと推測します。感覚的には「フィリピン国内に閉じ込められてしまった」という感じかもしれません。

要するに、日本人の立場からすると「何てことだ!」「入国禁止はあまりにも厳しすぎる措置だ!」となるわけで、イメージとしては「被害・打撃を受けた」となっているでしょう。

フィリピン人の立場から

一方この国の国民であるフィリピン人は、入国禁止の措置(外国人へのビザ発給停止)をどう受け止めているのか?

自分が目にした範囲での話ですが、SNS上のコメントを読む限り「ようやくか!」「今頃になってそんなことしてももう遅い!」「当然の措置だ!」といったものが多かったです。

そりゃそうですよね。フィリピンの人たちからすれば新型コロナウィルスは国外から入ってきたものなので、その媒体となり得る外国人の入国に制限をかけることは自国を守る上で当然のこと。このようなイメージ(風評)をもっている人がかなり多い印象かなぁと思います。

厳密に言えば、ウィルスが持ち込まれたルートは外国人だけではないでしょう。ですが、こういう状況下ではそのイメージというものが本当に大きな存在となります。「外国人=ウィルス」とまで考えを飛躍させる人がいるのも理解の範囲内ではあります。

ですが、中には先ほどの日本人と同じような感想をもつ人たちもいます。

セブ島には観光や留学関係で生計を立てているフィリピン人が多く、特に観光業ではガイド料やチップなどの日銭で生計を立てている人がいます。観光客や留学生に人気のスパやマッサージ店も同じような状況と言えるでしょう。

つまり「外国人が入国できないと自分たちの生活も成り立たない」「収入源が絶たれた」と憤る人が多いのもまた事実です。

とらえ方のズレから生じる様々な誤解

外国人の入国禁止措置により、様々な影響が出ていることは火を見るよりも明らかです。各企業・会社における経済的な損失・ダメージについて、フィリピン政府から今後何かしらの補填があると考えるのは現実的ではなく、ハッキリ言って難しいでしょう。この点に関して自分は詳しくないので、細かい分析は専門家にお任せします。

セブ島で言えば、観光・留学関係の業界では先ほども述べましたが実質経営が困難状況になっており、つまりはフィリピン人の雇用も継続できないことにより多くの失業者が出ています。

上記の業界経営者の中には、何とかしてフィリピン人の雇用を守りたいと奮闘している人もいるでしょうし、自分の保身に走っている人もいるでしょう。

それら一連の動きを表面的に見れば「誰が損をして誰が得をした」ととらえられてしまうことも。このことにより、怒りを覚え攻撃に走る人も残念ながら一定数います。

でも待ってください。

今自分たちが対峙しなければならないのは誰か人ではなく、新型コロナウィルスそのもののはず。

もちろん政府の対応策が正しいのかどうかは議論する必要があります。ですが、冒頭でも述べたように「今」その策に対する評価、何が正解かを判断することは難しいでしょう。今はまだその時期ではないからです。今はまず何とかして感染拡大を阻止し、人々の命を守ることが最優先というフェーズだからです。

なので、今できることは可能な限りやる。

おそらくフィリピン政府はそんな姿勢なのではないでしょうか。

お互いが逆の立場で考えることの必要性

究極の言い方をしてしまうと、じゃあもしもあなたがこの国の大統領なら何を指示しますか?感染拡大についてどう対処しますか?そしてその責任をどう取りますか?

これは極端な例えですが、要はそういうことです。

ましてやフィリピンで活動している日本人の立場としては、あくまでも「フィリピンで活動させてもらっている」というもののはず。

政府各機関からの指示が不明瞭(朝令暮改)であったり統一感がなかったりという不満はありますが、他国でビジネスをする・生活するというのは、それらを全てひっくるめた上での話です。

国によっては情勢不安・自然災害・宗教問題など、日本の感覚で考えると勝手の違うことが多いのが海外です。

そういった意味では、今回のことで「海外で活動すること」について今一度考えさせられたのかもしれません。

なので、この国では外国人の立場である我々日本人としては、怒りの矛先をどこへ向けるかでその人の根底にある考え方・人間性が表れると考えます。

忘れてはいけないのは、フィリピン人の中に外国人に対して良い感情をもっていない人が少なからずいること。元々マイナス感情をもっていた人は、この時ばかりとあれこれ反応しているはずです。

自分も先日、明確なコロナ差別を経験しました。「お前中国人か?」「いや日本人だよ」このやり取りの後、あからさまに煙たそうな表情&手で口を覆うことを目の前でされました。

一瞬ムカッとしましたが、よく考えたら「その人には罪はなくそういう風評があるから仕方ない」と冷静になりました。

これまでは何事もなく穏やかな雰囲気で歩いていた場所でも、今は何か冷たい視線を感じることが多くなり、出掛けるときに緊張感をもつようになりました。

最低限の用事の際は仕方ありませんが、それ以外は必要以上に周囲を刺激しないよう意識し、外出時の服装や格好なども工夫するようにしています。

戦う相手を間違えるな

今はある意味で非常事態なので仕方ありませんが、でも個人的にこれだけは大事にしたい。

「今自分たちが対峙しなければならないのは人ではなく新型コロナウィルスそのもののはず」

スーパーのレジ待ちで、ソーシャルディスタンス(社会的距離)を取らずに並ぶ人に腹を立てたくもなります。ですが、その人はただ単に無知なだけです。無知というか社会的な規範行動についての知識が乏しい・経験が浅いということ。

こういう時だからこそ、誰かを攻撃することにエネルギーを使うのではなく、様々な問題が実は自分の中にあるんだとじっくり考えることができるはずです。

言ってみれば、誰も加害者ではなく誰もが被害者です。

そう、我々が戦うべき相手はウィルスですよ!

なので、しっかり手洗いうがいをして、ウィルスに抵抗してやりましょうよ!

あとがき

まとまりもなく、ダラダラと書き続けていたら4,000字を超えたのでここらで一旦止めておきます。

今回は入国禁止措置に関して付随することを含めあれこれ書きましたが、若干話がとっちらかってしまったかなぁと。

次回、何について書くかはまだハッキリと決めていませんが、もう少し絞り込んだテーマで書いてみようと思います。

※本記事は一個人の立場での見解であるとともに、内容は記事執筆時点でのことである旨をここに明記します

6 COMMENTS

アバター 秀太

確かに都会の観光業、ホテルやツアー会社などは大変そうですね。
みんなピリピリするのもわかります。

田舎はロックダウンしたあとも人の動きはいつも通りです。漁師が多く、観光客相手の商売はないので危機感を持ってる人は少ないです。

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カリパイ カリパイ

秀太さん

>田舎はロックダウンしたあとも人の動きはいつも通りです。漁師が多く、観光客相手の商売はないので危機感を持ってる人は少ないです。
当然その地域によって実態は様々ですよね。
秀太さんの住む地域の状況もブログで紹介してもらえると嬉しいです。それか実際に見に行ってみようかなぁとも思ってます笑

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