どーもこんにちは!カリパイです。
先日、自分の住んでいる地域では、4月16日(木)から「地域・曜日ごとの外出制限」が追加されました。この発表があったのは前日の4月15日(水)です。
まずは役所の公式Facebookページで発表があり、その1日後、首長の署名入りの公式なオーダー(書面)も公開されました。
発表のあったその日、たまたまですが「何か情報が更新されてないかなぁ」と軽い気持ちで役所のFBページを開いてみて、自分は発見しました。
その前後に、例えば街宣車での広報やポスター・張り紙などは皆無。
つまり何が言いたいかというと、この規制強化の発出をおそらくほとんどの人が知らない、または「正確に理解していない」状態なんです。
新たな規制について
15日に自分が見つけた規制強化の発表は、英語で書かれた趣旨説明とビサヤ語で書かれた実際の制限内容(地域・曜日)でした。
制限内容について簡単に触れておきますね。
カリパイが住んでいる自治体にはいくつかのバランガイ(最小行政区)があります。確か21個だったかな?
それでそのバランガイごとに、外出できる曜日が週2日だけとなります。その曜日はもちろん指定されています。
ちなみにカリパイのところは火・土曜日です。
外出できると言っても、もちろんですが各バランガイから発行されている外出許可証(Home Quarantine Pass)とマスク着用が必須です。外出許可証は世帯に1枚のみ。
そして引き続き21時~5時は全て外出禁止で、65歳以上&21歳未満は終日24時間外出禁止です。
つまり、これらすべてが確実に運用されていれば、外出できる人の数というのはかなり少なくなるはずですし、ウィルス拡散の防止に対しては効果があるように思うわけです。
理屈上はね。うん、理屈上は・・・。
先頃の実態は・・・
前回のブログにも書きましたが、ECQ(強化されたコミュニティ検疫)要するに外出規制が始まってから3週目で、住民の意識もかなり下がってきていた状態。
参考 久しぶりに外出してローカルマーケットへ行ってきたカリパイの部屋街には多くの人が外出許可書を持たず出歩いていたり、いわゆる不要不急の外出が増えてきていたり。
不正を働き警察にとっ捕まった人というのも、自分が見聞きしている範囲ではあまりいない印象で、取り締まる側も徹底できていないのではないかと。
そこへ来ての今回の規制強化となるわけです。
規制強化の正しい内容とは?
冒頭でも触れましたが、自分は「たまたま」この規制強化を知りました。しかもネットを利用したFBページ上です。
この発表を知ってから、念のためにと思い近所の人に話を聞きに行きました。
すると驚いたことに、ほとんどの人がこの発表を知らなかったんです。
知っていた人も「カリパイ、安心しなよ。それはマーケットへ行くことが制限されただけだよ」と、発表内容の事実と異なることを言っていました。
うん?あれ?
その人には「いやいや違いますよ。役所の発表はマーケットだけでなく全ての外出に関して言及しています」と伝えましたが、「そんな話は聞いてない」と頑なに受け入れようとしませんでした。
発表内容を要約すると以下のようになります。
- 4月16日から外出許可証は「毎日有効」ではありません
- バランガイごとに指定された曜日のみ外出できます
- この新たな規制を我々は「マーケットデイ(The Market Day)」と名付けます
この英語で書かれた趣旨説明に続いて、ビサヤ語で書かれた地域指定と曜日の説明が表記されていました。
ではなぜ誤解が生じているのか?
誤解が生じている原因
大きく分けて4つの理由があると考えます。
1つ目は、発表の仕方です。
今回に限らず役所からの発表は、役所の公式FBページ上で行われることがほとんどです。または各バランガイスタッフが世帯を歩いて回り、口頭で説明する。
つまり、インターネットが利用できる状態もしくは、バランガイスタッフに遭遇しない限りは、知る由もないわけです。
ところが、カリパイの住んでいる地域ではインターネットに接続できる人・家庭の割合というのはかなり低いと思われます。簡単に言えばネットにつなぐお金がないんです。
これでは、いくら役所がFBページ上で発表しても、多くの人に情報が行き届かないわけです。
もちろん、カリパイを含めネットに接続できる人も一定数います。ですが逆にそれが問題にもなり得るんです。
それが2つ目の理由で、それは「誤った情報の口伝達」です。
ネットを利用できる人が発表を知ったとします。しかし、彼らが「誤った」理解をする、または自分に都合の良いように解釈する。
そしてそれを「おい、今度からこうなるぞ!」と口伝えで、結果的に誤った情報が広がっていくという仕組みです。
話を伝え聞いた人からすると、情報のソースは話をした相手。そしてその話が本当かどうかも疑わない・・・。
今回の件だけでなく、普段からこういう感じなんです。
3つ目の理由。
それは、2つめの理由とも関連しますが、そもそもの情報収集段階での残念な現状です。
今回の発表では、なぜこのような措置をとるのか、そしてどのように運用されるのかというとても大事な部分が「英語」で書かれていました。
そうなんです。この英語の文章をちゃんと理解できる人が少なかったと言わざるを得ません。
実は役所のFBページには、今回の発表に関して多くのコメントが書き込まれています。コメントは英語とビサヤ語の両方がありましたが、そのほとんどはビサヤ語です。
ビサヤ語に関しては翻訳ツールを使いながら何とか読み進めましたが、彼らのコメントから分かったのは「ミスリード」つまりちゃんと文章を読めていない「読解力」の問題があるということです。
これについては一般化して述べることはできませんが、カリパイの住んでいる地域には読解力の低い人が多いということです。
説明が英語で書かれているという面も影響しているかもしれませんね。
自分にとっては、英語で書かれているのは助かります。ですが、住民の主要言語はビサヤ語です。このことがミスリードを引き起こしている原因の一つかもしれません。
4つ目の理由。
それは役所の「表現センスのなさ」です。
今回の措置を「マーケットデイ」と名付けたと言いましたが、このネーミングセンスがダメでしょう・・・。
「マーケット」という言葉を使っていることにより、住民の多くは「なんだマーケット(市場)についての話か」と誤解したと推測します。先ほどの3つめの理由とも連動してますよね。
役所の言いたいこともある程度は理解できます。買い物へ行く日が限定される、つまりマーケットへ行ける日が限られる、だから「マーケットデイ」だよと。
うん、わかります。
ですが、今回の規制は何も食材購入に限った話ではなく、外出そのものをより制限することが目的のはずです。
なのに、この誤解を生むようなネーミングのせいで、住民の多くが混乱しているわけです。
以上、誤解が生じている原因をまとめるとこんな感じですかね。
- ネット上での発表は住民の実態にそぐわない
- 読解力の低さと英語への敷居の高さという実態
- 誤解を生む役所の広報
自分が考えつく範囲での代案は以下の通りです。
- 放送システムがあるならバランガイごとに町内放送で知らせる
- 街宣車を用意してアナウンスする
- FBではなく、バランガイ名簿を利用してテキストで知らせる(受信にお金はかからない)
- 趣旨説明という大事な部分は英語・ビサヤ語の両方で記載する
きっと言うは易しで、自分が運用する立場になってみないとその難しさはわからないですよね。
役所・バランガイの人たちもあれこれ精一杯やってるはずなので、タダ文句を言うだけではなく建設的な方向で発言したり、趣旨を正しく汲み取って措置に従ったりしたいところです。
まとめ
当然ですが、今まで以上に不自由度が増しますし、そもそも新型コロナウィルス自体への恐怖もあります。
「こうすればルールをかいくぐれるぞ」とか「オレは○○しても問題なかったぞ」と変な武勇伝を語るのではなく、本質に目を向けたい。
なぜ自宅待機なのか?
外出禁止のそもそもの目的は何なのか?
無理解な人に理解させようとしても、それは無理って話です。ならば、そういう無理解な人と関わりを持たないよう自分で自分の身を守るしかありません。
フィリピン国内を見渡しても、人や車が溢れかえっているというかなり酷い状況の地域もあるようです。
それを受けて先日も大統領がブチ切れてましたね。「おとなしく家にいないならもっと制限を厳しくするぞ」って。
まぁそりゃそうですよ。平たく言えばね。
今回カリパイの住む地域に出た新たな制限も、いつまでという期限は示されていません。
仮に後日期限が出されたとしても、延長される可能性もあるわけで、先が見えないですね・・・。
とにかく事態が好転することを願うばかりです。
英語力の問題、ありますね。フィリピンの公式文書を読むのはフィリピン独特のwordingもあって、個人的にはなかなか我慢が必要です。勘違いしているフィリピン人に「こうかいてあるよ」と言っても外国人のいうことを聞くわけもなし、相手が理解するまで待つしかないところですね。
kujiranさん
根拠を示して丁寧に説明し続け、どうやら相手も納得したなぁという頃合いになると、論点を変えて最初の話題をうやむやにする。
先日話をした相手はそんな感じでした・・・。ふぅ。
それは大変。自分の言ったことを修正されたら負け、みたいなのはいらないんですけどねえ。
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